翻訳ミステリー読者賞について
ミステリー小説のランキングには、年末恒例のものや翻訳ミステリー大賞などいろいろありますが、投票という形で参加できるのは一部の例外を除いて、ほとんどが作る側の人たち(作家、編集者、書評家)です。その一方で、2010年から翻訳ミステリー読書会が全国で開催されるようになりました。それにより、多くの一般読者たちが、大好きな翻訳ミステリーについて思う存分語ることのできる場所ができました。そして、毎年4月におこなわれる翻訳ミステリー大賞授賞式・コンベンションには、全国の読書会参加者が集まるようになり、地域の垣根を越えた、一般参加者同士の交流が始まりました。
このような状況で「読者が選ぶランキングがあってもいいじゃないか」という発想が出てこないほうがおかしいと思いませんか。思いますよね。こういうわけで、自分たちも投票して選びたいという読書会参加者有志が集まり、少しずつ準備を進め、2013年から翻訳ミステリー読者賞を開催しています。
読者賞は、発表の場こそ、翻訳ミステリー大賞の授賞式をお借りしている状況ですが、大賞と読者賞は選考方法も運営もまったく別になりますので、結果として大賞と読者賞が重なることもあります(第3回)。また、第2回のように、他のランキングでほとんど拾われることがなかった作品が、読者賞を授賞するというようなこともあります。こういうところに、作る側ではなく、読む側が選ぶ賞の醍醐味があると思っています。
また、読者賞は、読者のための賞ですから、これから興味を持って読み始めたいと思う人にも、有用なブックガイドになることを目指しています。全国のファンが選んだ作品たちは、その順位によらず、どの作品を手に取ってもおもしろいはずです。翻訳ミステリーに興味を持った人への道案内として、また、ファンの人には明日からの読書の目当てとして、自信を持ってオススメできるブックガイドができると自負しています。
今、これを見ているすべてのみなさんに投票の権利があります。ぜひ、あなたも読者賞に票を投じてください。あなたのオススメする作品を教えてください。翻訳ミステリー読者賞は、みなさんひとりひとりの協力で作られていくのです。
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