第7回福井読書会レポート(執筆者:長岡亜生)
イタリア在住の翻訳者、飯田亮介さんをゲストにお迎えするという、オンラインならではの特典つき。参加者は、福井県内のほか東京、埼玉、愛知、大阪、兵庫から総勢10名(+世話人2名)。今回も楽しいひとときとなりました~みなさんありがとうございます。
課題書『老いた殺し屋の祈り』マルコ・マルターニ 著/飯田亮介 訳(ハーパーBOOKS)
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オルソ(熊の意)と呼ばれ、長年組織のボスに仕えてきた最強の殺し屋。心臓発作に倒れるも命をとりとめた今の願いは、生き別れたかつての恋人と娘にひと目会うこと。ふたりが暮らす町を目指す道中、何者かに襲われる……「イタリアン・ノワールの傑作」と帯でうたわれる本書は、イタリアの著名な脚本家による初の小説です。
〈まずは感想〉
みなさんの読後感としては、面白かった。さくさく読めた。楽しめた。という声が多数。具体的な理由としては、
・プロットの運びがうまい。
・どんでん返しがいくつもあって飽きさせない。
・映像的な作品(さすが脚本家)
・カーチェイス、アクションシーンがよかった
(飯田さんから安堵と喜びの声)
みなさんの読後感としては、面白かった。さくさく読めた。楽しめた。という声が多数。具体的な理由としては、
・プロットの運びがうまい。
・どんでん返しがいくつもあって飽きさせない。
・映像的な作品(さすが脚本家)
・カーチェイス、アクションシーンがよかった
(飯田さんから安堵と喜びの声)
ノアールは苦手だったがこれは大丈夫だった、「共感できるところはほとんどなかった」(笑)という声もあがり、さらには、英米ものとは違って「日本人の感性に近いのかも」「任侠の世界を連想させた」など〈ドライVS ウエット〉の議論でももりあがりました。
〈オルソ〉
主人公については、
・おしゃれ。かっこいい。趣味は恋愛小説(もっと深めてほしかった)
・年齢を忘れるほどのアクション。しかも退院後なのに活躍しすぎ。
大丈夫かよ。
・ただの女好きか? ボスの娘に惹かれてるし……
・俳優でいうと……クリント・イーストウッド(なるほど)、任侠なら高倉健で しょ(おおー)、アンソニー・クイーン(映画『道』より)、年とったキア
ヌ・リーヴス、極めつけはジャン・レノ! などの名前があがりました。
主人公については、
・おしゃれ。かっこいい。趣味は恋愛小説(もっと深めてほしかった)
・年齢を忘れるほどのアクション。しかも退院後なのに活躍しすぎ。
大丈夫かよ。
・ただの女好きか? ボスの娘に惹かれてるし……
・俳優でいうと……クリント・イーストウッド(なるほど)、任侠なら高倉健で しょ(おおー)、アンソニー・クイーン(映画『道』より)、年とったキア
ヌ・リーヴス、極めつけはジャン・レノ! などの名前があがりました。
〈エルサ〉
オルソが甘い関係を築くエルサについては、「うーん残念」との感想がほとんど。
・40代なのにおばさんくさい、その反面、子どもっぽい謎な言動あり。
・思慮がない。女を出すこともない。ダサすぎるファッション(なぜに?)
・裏がある人かと思っていたのに……
オルソが甘い関係を築くエルサについては、「うーん残念」との感想がほとんど。
・40代なのにおばさんくさい、その反面、子どもっぽい謎な言動あり。
・思慮がない。女を出すこともない。ダサすぎるファッション(なぜに?)
・裏がある人かと思っていたのに……
そもそも女性登場人物はみな中途半端な感じで、男性目線から描かれている。映像的な必要性から登場? 単なる道具立て? という指摘も。
〈気になるサブキャラ〉
本作には、本筋にあまり関係しない人物が多数登場しますが、気になったのは……
・レモ。そこまで悪いやつじゃない。ロッソへの恨みの根拠など謎が残る。
・モーズリー。活躍を期待していたのに……捨て駒の扱い。同名のミステリー
作家を意識?
・チョイ役だけど神父がかっこよかった。アル・パチーノにやってほしい。
・バールの兄ちゃんがリアルでいい(飯田さんの思い入れも)。
本作には、本筋にあまり関係しない人物が多数登場しますが、気になったのは……
・レモ。そこまで悪いやつじゃない。ロッソへの恨みの根拠など謎が残る。
・モーズリー。活躍を期待していたのに……捨て駒の扱い。同名のミステリー
作家を意識?
・チョイ役だけど神父がかっこよかった。アル・パチーノにやってほしい。
・バールの兄ちゃんがリアルでいい(飯田さんの思い入れも)。
〈タイトルと父親像〉
「『老いた』っていうけど、主人公は60歳代前半!」と同世代からの鋭いつっこみが入りました。たしかに。他方「人生の終焉を意識しているのでは?」という意見も。
原題「ひとりの父として」にも疑問の声。オルソをめぐる父親殺しのモチーフ、ロッソの存在感など父親像についての議論も白熱しました。
ここまで原題と離れたタイトルも最近珍しいですね。「気がついたらこれになっていた」と飯田さんは笑いますが、表紙の漢字が横に3つ並ぶのがお気に入りとのこと。
「『老いた』っていうけど、主人公は60歳代前半!」と同世代からの鋭いつっこみが入りました。たしかに。他方「人生の終焉を意識しているのでは?」という意見も。
原題「ひとりの父として」にも疑問の声。オルソをめぐる父親殺しのモチーフ、ロッソの存在感など父親像についての議論も白熱しました。
ここまで原題と離れたタイトルも最近珍しいですね。「気がついたらこれになっていた」と飯田さんは笑いますが、表紙の漢字が横に3つ並ぶのがお気に入りとのこと。
〈印象的なシーンや気になったところ〉
・殴り込みシーン。そこでもう物語終わった感じ(笑)
・オルソの恋人と娘の安否(いろいろ意見がでました)
・予想外の結末。オルソかっこよすぎじゃ?
・続編はいらない(キッパリ)。人物たちの過去を遡ったものなら読みたい。
・どんだけロッソはオルソが好きなのか。
・いじめの解決はあれでいいのか。オルソしゃべりすぎ。悪ガキ絶対復讐して
くるよね~
などなど。
・殴り込みシーン。そこでもう物語終わった感じ(笑)
・オルソの恋人と娘の安否(いろいろ意見がでました)
・予想外の結末。オルソかっこよすぎじゃ?
・続編はいらない(キッパリ)。人物たちの過去を遡ったものなら読みたい。
・どんだけロッソはオルソが好きなのか。
・いじめの解決はあれでいいのか。オルソしゃべりすぎ。悪ガキ絶対復讐して
くるよね~
などなど。
〈翻訳に関して〉
飯田さんによると、原文を読む中で疑問がいろいろ生じたそうで(イタリアは編集チェック甘すぎ?)細部にわたって整合性が考慮された翻訳になっています。興味深かったのは、銃器操作に関して施された修正(なんと参加者から新たなご指摘も!)。
イタリア語ミニ講座あり、作品中のスイーツ・料理談義あり(写真提供は世話人藤沢一弘さん)、その他いろいろなお話も聞けて、イタリアに浸れた読書会でした。
つぎの翻訳は近日出版予定(お楽しみに!)。世界中で大評判のシリーズ『ナポリの物語』には参加者から推しの声。この機会にぜひ!
飯田さんによると、原文を読む中で疑問がいろいろ生じたそうで(イタリアは編集チェック甘すぎ?)細部にわたって整合性が考慮された翻訳になっています。興味深かったのは、銃器操作に関して施された修正(なんと参加者から新たなご指摘も!)。
イタリア語ミニ講座あり、作品中のスイーツ・料理談義あり(写真提供は世話人藤沢一弘さん)、その他いろいろなお話も聞けて、イタリアに浸れた読書会でした。
つぎの翻訳は近日出版予定(お楽しみに!)。世界中で大評判のシリーズ『ナポリの物語』には参加者から推しの声。この機会にぜひ!
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次回の福井読書会は7月17日(土)に開催します。課題書は『シャーロック・ホームズの冒険』(近日中に告知が出ます)。そして9月には、話題の近刊書『天使と嘘』マイケル・ロボサム作/越前敏弥訳(ハヤカワ・ミステリ文庫)を課題書にする予定です。今後とも福井読書会をよろしくお願いします~
福井翻訳ミステリー読書会ブログはこちら
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