第14回福井【白昼の悪魔】読書会レポート(執筆者・藤沢一弘)

第14回福井読書会はアガサ・クリスティーの『白昼の悪魔』(鳴海四郎訳(ハヤカワ・クリスティー文庫)を課題書に開催いたしました。

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こちらは前回の福井読書会課題書『マーダー・ミステリ・ブッククラブ』(C・A・ラーマー著/高橋恭美子訳(創元推理文庫))にて、主人公のブッククラブの課題書となっていた事から、折角なのでと今回の課題書に。

本書は、避暑地で起きた元女優殺害事件の謎を名探偵ポアロが解き明かす傑作ミステリーで、『地中海殺人事件』の邦題で映画化もされています。

今回は初参加の方も含め総勢11名での開催となりましたが、翻訳家の越前敏弥さん、そして、前回に引き続き福井県在住の作家・宮下奈都さんがご参加下さり、第0回(福井特別読書会)以来のお二人のやり取りも楽しませていただきました。

さて、課題書に対しての感想やご意見ですが、

「ソリッドながら濃厚」

「犯人は全く分からなかった」

「構成がみごと」

など、ミステリーとしての面白さはもちろん、

「あのトリック、こんなにうまくいくもんなの?!」

「ビーチで楽しむ人たちを見て「モルグみたい」とか言うポアロとは友達になりたくないよね」

「奥さんの尻に敷かれているように見えるガードナー氏だけど、なんだかんだで夫婦仲が良さそうで素敵」

「ラストのあの人のあの選択にはガッカリ」

などなど、ポアロをはじめとした登場人物たちへの愛あるツッコミも楽しかったです。

そして、参加者の中にはクリスティーのミスにあたるのではないかとの箇所を発見された方が。

原著でもその部分を確かめ、確かにそうかもと一同感心しきり。

いったいそれはどこで、どんなものなのか。

皆さんも是非探してみて下さい。

その他、原作とピーター・ユスチノフによる映画版やデイヴィッド・スーシェのドラマ版との違いについても話題にあがりました。

映像化されたものを観たことが無い人は、ぜひ原作との違いも楽しんで欲しいところです。

ところで、今回、本書を途中までしか読めず、犯人も分からないまま参加された方も。

それに配慮した訳でもないですが、最初は突拍子もない人物を指して「実はこの登場人物が犯人なんですよ」なんてお遊びをも。

しかし、ネタバレ上等で臨まれたその方のおかげで、新たな企画案が持ち上がりました。

もし実現できそうでしたら改めてお知らせしたいなと思っております。

さて、この日はクリスマス前という事もあり、ちょっとしたお茶会的なものを兼ねた読書会にしようと企画。カフェ「森のオーブン」さんに、無理を言ってお店を会場として貸していただき、お茶とお手製クッキー、更に特製パフェまで用意していただきました。

「森のオーブン」さま、ありがとうございました!

とても美味しく、参加者一同、読書会そっちのけで、夢中になって食べてしまいました(笑)。

 

お店では恐竜の化石をモチーフにした個性的な料理をはじめ、特製パフェなども提供されています。お近くにお越しの方は是非ご利用ください。

それにしてもこうやって課題書に取り上げて読むと新たな発見もあり、クリスティーが愛され続けている理由を再認識でき楽しかったです。

また、福井読書会では今後もクリスティーを取り上げていきたいなと考えております。

その際は皆さまと一緒に楽しめたらと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

福井読書会世話人

藤沢 一弘(ツイッターアカウント @shaolon_wang

福井翻訳ミステリー読書会

https://fukui-honyaku-bookclub.hatenablog.com/

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