第1回弘前読書会レポート・前篇(執筆者・本木英朗)
「東京近郊に住んでた頃は、毎月のように好きなミステリの話でお仲間たちと盛り上がっていたのになあ」
地元・青森県弘前市にUターンしてきてから6年。周りでミステリ好きな人と出会う機会もあるわけでなく、さみしい日々を過ごしておりました。
「あ、そうだ、もう自分でそういう場所を作っちゃえばいいじゃん」と思い立ったのは3年ほど前。低下気味だった読書量も回復を始めてきた時期でした。そんな思いつきも、プライベートのあれやこれやで延び延びになってきましたが、昨年の秋になり「今なら行ける! というより今しかない!!」という状況になりました。
思い立ったが吉日。旧知の杉江松恋さんにFBを通じて連絡を取り「弘前で翻訳ミステリー読書会を立ち上げたいのですが、その暁には1回目にゲストとして来ていただけますか?」と打診します。
結果、杉江さんからご快諾いただきまして、あとはtwitterアカウントを立ち上げて「来年、弘前で読書会開きます!」と宣言したら、たくさんの方からRTのラッシュ!!
かくして本当に実行せざるを得ないところまで自分を追い込みました(偶発的な結果です)。
というわけで、自己紹介が遅れました、弘前読書会の世話人の本木英朗(もとぎひであき)と申します。かつては「牧人(まきと)」という名前で、ミステリサイト界隈の片隅で零細サイトの管理人などを務めておりました。どうぞよろしくお願い致します。
さて、先日開催されました第1回弘前翻訳ミステリー読書会の課題図書でありますが、これがまたなんと『シャーロック・ホームズの冒険』(アーサー・コナン・ドイル著/深町眞理子訳、創元推理文庫)という古典中の古典であります!!
これに至るに紆余曲折があったのですが、最終的には杉江さんの後押しで決まった、とだけ申しておきます。でも、この本にして本当に良かったと、読書会を終えたいま、強く感じております。
私自身、ミステリファンの道をたどった入り口はホームズでしたので、これも運命だったのかとカッコつけて思ってみたりも。
幸い、twitter上でも各地の読書会関係者の方から「あらホームズですか、いいじゃない」と好評をもって迎えて頂きました。課題図書が決まったのは昨年12月で、実際に開催の告知と募集が始まったのは今年の4月15日。そこから1週間もしないうちに、定員12名(私の中で読書会の最適な人数はこれだと思っての数でした)が、あっという間に埋まります。
「おお、やっぱりみんなホームズ好きなのねー、シャーロッキアンとしてはうれしいなあ」などと軽く考えていたところ、ある参加希望のメールが舞い込みました。そのメールには、このように書かれておりました。
本木英朗さま
第1回弘前読書会に参加を申し込みます。よろしくご手配ください。
名前:日暮雅通
(以下略)
……え? 日 暮 雅 通 さ ん ?
ええ、もう私はこのメールを職場で読んで、思わず大声を出しました。そりゃそうなるでしょう、シャーロッキアンを名乗る者なら誰だって日暮さんの訳された本の10冊や20冊、読んでるでしょう。私にとってはいつの間にか自然に名前を覚えていた翻訳者さんのおひとりなのです。
とにかく興奮しすぎて、誰かとこの思いを分かち合いたく、サイト管理人だった時代の仲良しさん(今でも交流のある方)にFBで速攻でメッセージ流しましたね。向こうもびっくりしてたみたいです。そうだよね。
というわけで、ゲストでご参加いただく杉江さんに加えて日暮さんまでいらっしゃるということで、私の中ではもうほとんど、第1回は成功したなと確信した次第でした。
同時に「2回目どうすんの?」とも思いましたけど。いや今でも思ってます。どうしよう。
それはともかく。
結果として札幌・仙台・岐阜の各読書会関係者の皆さまや、弘前市と近郊から参加表明頂いた方々で12名となりました(2名は私の個人的な知り合いです)。そして会場や懇親会のお店の予約などの雑事や皆さまへの諸連絡を済ませるうちに、あっという間に本番当日を迎えたのでした。
読書会本番前後の出来事については、弘前読書会のブログにまとめましたので、そちらをご参照いただきたく願います。
ここからは、読書会そのもののレポートです(前置き長っ!)
読書会の会場は、弘前市の中心部・土手町商店街にある「弘前国際ホテル」さんの会議室。
サービスが行き届いていてとても便利でした。場所も説明しやすいので、今後もこちらを固定して使わせていただくかもしれません。
参加メンバー各自の自己紹介を済ませすると、まずは「収録作品中、どの作品がいちばん好きだったか、または嫌いだったか」を各自1票ずつ、挙手でアンケートすることといたしました(嫌いの方は強制ではありません)。
そして、これが結果だッ!!
作品名
好き
嫌い
ボヘミアの醜聞
赤毛組合
2
花婿の正体
1
ボスコム谷の惨劇
五つのオレンジの種
3
1
くちびるのねじれた男
3
青い柘榴石
2
まだらの紐
1
1
技師の親指
2
独身の貴族
1
緑柱石の宝冠
橅の木屋敷の怪
個人的には、かなり意外な結果だったと言えるでしょう。だって「赤毛組合」も「まだらの紐」も1位じゃないんですよ! あまつさえ後者なんて嫌いに1票が投じられている!!
こうした結果を踏まえ、以後は各編ごとに話し合いを始めていくことになるのですが、ああ、もう文章が長くなりすぎてますね。第1回のレポートから申し訳ありませんが、ここで次回に続く、ということをお許しください。
まずは長々とありがとうございました。次回をお楽しみいただければ幸いです。
次回予告
「これはホームズ物語によくある『○○シリーズ』のひとつですね」
「ツッコミどころの多い話ですが、それでも納得してしまえる筋立ての見事さ」
「もはや落語の世界」
「あり得ないトリックだけど、この雰囲気だけでかなり許す」
「とにかく山中峯太郎訳を探して読むんだ!」
(後篇へつづく)
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