第1回多摩南読書会レポート(執筆者・片山奈緒美)




「町田方面に読書会を開いてほしいなあ」というさる筋からのリクエストにこたえて、立ちあげちゃいましたよ、多摩南読書会!

 都心でもなく、札幌とか福岡とか道・県庁所在地でもなく、東京の一都市で開催する読書会にはたしてどれだけの人が参加してくれるのか?——不安なまま翻訳ミステリー大賞シンジケートで参加募集の呼びかけをしたところ、定員10人の会場はあっという間に満席となり、キャンセル待ちが出るほどに。まあ、びっくり。こんなに町田地区で読書会の需要があったとは。

 記念すべき第1回読書会の課題本は今年1月末に刊行された、おなじみ私立探偵モンク・シリーズの『偽証裁判』(アン・ペリー著、東京創元社)。文庫とはいえ上下巻で合計680ページほどの長さがある作品を、みなさんじっくり読んできてくださいました。

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 今回は看護婦へスターがエディンバラの名家の女主人殺しの罪を着せられる話。事件解決までのメインのストーリーもさることながら、自分がへスターだったら、少々難ありのモンクと自分に好意を寄せてくれている弁護士ラスボーンのどちらを選ぶかとか、死人が出たエディンバラの名家の人たちがしょっぱなから怪しすぎたとか、三角関係やどろどろ家族関係の話題で盛りあがりました。

 また、訳者の吉澤康子さんと版元の東京創元社編集部の佐々木日向子さんをゲストにお迎えし、著者アン・ペリーとのやりとり(著者直筆のカードなど秘蔵品を見せていただきました)や翻訳裏話について伺い、日ごろなかなか聴けない編集サイドからの生の声に触れることができました。参加者からは間をおかずに次々と質問が発せられ、そのひとつひとつに吉澤さんと佐々木さんから丁寧なお答えをいただけました。

 当日参加されたみなさんのなかにはアン・ペリー作品を読んだのが初めてだったかたや、日ごろ翻訳ミステリじたいもあまり読まないというかたがいらっしゃいましたが、読んでみたらおもしろかった、読書会に参加してよかったという声があがり、世話人としては何よりも嬉しいことでした。

 2時間の読書会のあとは町田駅近くの居酒屋で2次会に突入! 楽しい時間はあっという間に過ぎ、また読書会で会いましょうと声をかけあって散会しました。

 多摩南読書会は、数カ月に一度のペースで読書会を開く予定です。翻訳ミステリを中心に、ときにはミステリとは言えないかもしれないけれど、これもオススメ!な作品も課題書に取りあげていきたいなと思っています。多摩地区にお住まいのかたも、そうでないかたも、ぜひご参加ください。では、読書会でお会いしましょう!





片山奈緒美(かたやま なおみ)

翻訳者。北海道旭川市出身。リンダ・O・ジョンストン著『愛犬をつれた名探偵』ほかペット探偵シリーズを翻訳。カリスマ・ドッグトレーナー、シーザー・ミランによる『あなたの犬は幸せですか』、介助犬を描いた『エンダル』、ペットロスを扱った『スプライト』など犬関係の本の翻訳にも精力的に取り組む。JKC愛犬飼育管理士、和ハーブインストラクター。> 最新訳書は『大学では教えてくれないビジネスの真実』(アレクサンドラ・レヴィット 著、アルファポリス)。

●ブログ「ただいま翻訳中!」→

●Twitterアカウント→ @naolynne


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