「グッときた◯◯」その4<セリフ・会話>編
全国の翻訳ミステリーファンの皆さま、こんにちは。
「どくミス!2025」(旧・翻訳ミステリー読者賞)へのご投票ありがとうございました。
結果発表は2025年5月24日(土)21時よりおこないます。
是非ご視聴ください。
さて、「どくミス!2025」の募集時にお寄せいただいた「グッときた◯◯」ご紹介の4回目は――
<セリフ・会話>編。
気の利いたセリフや印象に残る会話は翻訳者の腕の見せどころかも。翻訳ミステリー読者の心に残った名セリフ、会話の数々をお楽しみください。
編集注:一部、ネタバレ等の配慮のため、文章を割愛等させていただく場合があります。
グッときたセリフ・会話
・ 『エイレングラフ弁護士の事件簿』より、エイレングラフの「コミコミで」こういう訳語を使ってしまう大胆さもさることながら、洒落者で美食家のスノッブな弁護士の、下世話な本性が垣間見えるような言い回しでも好きです。
・グッときた台詞。『エイレングラフ弁護士の事件簿』のエイレングラフが報酬を提示するときの「すべてコミコミの料金です」。「コミコミ」にエイレングラフの胡散臭さが凝縮されていてめちゃくちゃ好きです。
・『ファミリー・ビジネス』の主要キャスト間の会話。『ボタニストの殺人』のティリーとポーの会話。やりとりがおしゃれで、くすっと笑える。どちらも全体なので、ピンポイントで答えられなくてすみません。
・『罪なくして』から、ケイトの慟哭「わかっていたのに」。わかっているのにそれを言葉にできなくて、声に出すタイミングがわからなくて後悔する状況、わかりすぎる。なのにある人物は人から忠告を受けて「わかったよ」と応えながら無視したことにも気づかず自分のやりたいようにやって失敗してしまう。この対比。ぐっときますね、落ち込む方向に。
・ グッときた台詞「君がわたしを守って」 『少年の君』で吃音症を抱える少女が不良少年に言いよどむことなく言った台詞。切実な思いと覚悟にグッときた。
・ 『ビリー・サマーズ』からラスト、主人公の女性の独白。でもわたしなら、あそこにホテルを出現させられる。グッときたと云うよりも「キタコレ!」と云う感じです。御大ファンには堪らないくすぐりでして。
・ 『テラ・アルタの憎悪』「君と話すことが俺の読書会だ」。本について語ることでお互いを理解し愛を育む二人にグッときました。いいなー。
沢山の投票をありがとうございました。
エイレングラフ弁護士の「コミコミで」に注目した方が二人もいるとは、さすが翻訳ミステリー愛読者は目のつけどころが違うなあと唸りました。ちなみにこの大胆な表現はミステリー翻訳の名手・田村義進さんの手によるもの。翻訳って面白い!
さて、次回は最終回。
どのカテゴリーにも収まらなかった<その他>編です。
いやはや皆さん自由すぎる!
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